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三八 イエズスは中風の病人を直された
ある日、イエズスさまは、カファルナウムのある家で、人々に教えておられました。これを知った人々はみなそこへかけ集まってきて、家のまわりや戸口は、黒山のような人だかりになりました。
そこへ四人の男が、中風でねたままになっている病人をつりこもうとしましたが、あまりの混雑で中に入れないので、屋根の板をはぎとって、そこから病人を、イエズスさまの前につりおろしました。
イエズスさまは病人に向かって、「子よ、恐れることはない。あなたの罪は赦された。起きて床を片づけて家に帰りなさい」とおっしゃいました。病人は、そのみことばを聞くや否や、すぐに立ち上がって、今まで自分の寝ていた床をかたずけて、神さまを賛美しながら、元気な足どりで帰って行きました。
この有様をみていた多勢の人々はびっくりして、みな、神さまのみわざを賛美しました。
終油の秘跡
一 イエズスさまはのちのちまでも、哀れな病人をいたわるために、重病人のための終油の秘跡をお定めになりました。
二 終油の秘跡を授けるときは、司祭は病人に聖油を塗りながら、「主はこの聖なる塗油と、いつくしみ深いおん哀れみによって、あなたが目で(あるいは鼻で、耳で、口で、そのほか手で、足でなど)犯した罪を、みなお赦しくださるように」と祈ります。それから、神さまがその病人を慰めてくださるように、助けてくださるように、また、みむねならば全快させてくださるように祈ります。
三 終油の秘跡で何をいただくのですか?
終油の秘跡をいただけば、それまでに犯した罪が赦され、神さまから慰められ、助けられ、時には病気がなおるお恵みをいただくこともあります。
終油の秘跡は病人が死ぬために受けるものと思うのは、愚かな、まちがった考えです。